こんにちは!ハゲ太です。
「抜け毛の原因をブロックする効果がある」ということで、チャップアップやブブカをはじめとした多くの育毛剤に配合されている「オウゴンエキス」という成分があります。
このオウゴンエキスの抜け毛抑制作用はどの程度信頼できるものなのでしょうか?
研究結果・エビデンスみたいなものがまったく見当たらなかったので必死で探してみた結果、やっとそれらしきものをみつけることができました!
今回はその内容についてお伝えしてみたいと思います。
結論からいうと、「オウゴンエキスはAGA治療にはそんなに期待できないかも」です^^;
オウゴンエキスがDHTを77%も抑制するってホント?
育毛剤ブブカの公式サイトにはこんな図が掲載されています。
「オウゴンエキスが脱毛の原因(=5αリダクターゼ)を77%ブロック!」とありますね。
この5αリダクターゼとは何者なのでしょうか?
オウゴンエキスがブロックするという「5αリダクターゼ」って?
5αリダクターゼとは体内で働く酵素のひとつで、男性型脱毛症(AGA)のメカニズムに深くかかわっています。
AGAのメカニズムをかんたんに説明すると、
- 男性ホルモンの「テストステロン」が5αリダクターゼの作用を受けて「ジヒドロテストステロン」(=DHT)という超強力な男性ホルモンに変化する
- DHTは髪の毛に「抜けていいよ」という信号をだす
- 成長期にあるはずの毛が抜けはじめ、ヘアサイクルが乱れる
- 薄毛になる
ということで、5αリダクターゼがすべてのスタートになっています。
プロペシアの作用も「5αリダクターゼの抑制」
AGA治療薬として有名な「プロペシア」(有効成分フィナステリド)もこの5αリダクターゼを抑えるはたらきによってAGAの治療を可能にしています。
それくらい「5αリダクターゼの抑制」はAGAによる薄毛治療のカギとなってるんですね。
もしオウゴンエキスに同じような作用が期待できて、かつプロペシアのような副作用の心配もないとすれば非常にすぐれたAGA治療成分ということになるのですが・・
オウゴンエキスのエビデンスはどこ!?
「5αリダクターゼを抑える作用がある」というのはAGA治療にとってかなり重要なはたらきなので、臨床試験のデータを確認してみたいと思いました。
ところがどこを探してもそんな資料やデータはでてきません。
たとえば同じように「DHT抑制効果」があるとされている「ノコギリヤシエキス」という成分については、少ないながらも「プロペシアの効果と比較した臨床試験」について見ることができます。
(参考記事:ノコギリヤシとプロペシア(フィナステリド)のAGA育毛効果を比較した研究論文の内容)
オウゴンエキスについてもどこかに研究データはあるはず・・!!
ブブカの公式サイトにある「77%をブロック!」という誇らしげなデータはいったいどこの試験結果なのでしょうか?
英語名で検索してみる
日本語で「オウゴンエキス DHT」と検索しても元になる研究についてはまったくヒットしなかったので、英語名で検索してみることにしました。
「SCUTELLARIA BAICALENSIS ROOT EXTRACT」というのがオウゴンエキスの英語名みたいです。
学名?なのか、発音もわからないくらいややこしい単語ですね^^;
「SCUTELLARIA BAICALENSIS ROOT EXTRACT」と「DHT」で検索してみると・・
こんなページがでてきました。
このサイトは栄養学やアンチエイジングについての専門家「Dr. James Meschino」さんのサイトですが、このページにオウゴンエキスの作用についてまとめてあります。
(「Chinese Skullcap」というのはオウゴンエキスがとれる「黄金花」の別名です。)
ジェームス博士によると、オウゴンエキスの作用として、
- 抗酸化作用
- 抗がん作用
- DNA修復酵素を刺激する作用
- 抗HIVウィルス作用
- 喘息やアレルギーなど過敏反応を抑制
- アルツハイマー病や認知症への効果
などとならんで、
- 5αリダクターゼを阻害する作用
があげられています。
(というか、抗がんとか抗HIVウィルスとか、何かすごそうなはたらきがありますね・・!!)
「オウゴンエキスが5αリダクターゼを阻害する」という研究内容を発見!
ジェームス博士の記事には、「オウゴンエキスが5αリダクターゼを阻害する」という話の根拠となる研究内容が「参考文献」として記されていました。
その研究がこちらです。
Structure-activity relationships for inhibition of human 5alpha-reductases by polyphenols.
訳すと「ポリフェノールによる5αリダクターゼの阻害のための構造 – 活性関係」というかんじでしょうか。
この研究結果として次のような記載がありました。
1型5αリダクターゼの強力な阻害剤であった他のフラボノイドには、ミリセチン、ケルシチン、バイカリン(=オウゴンエキスの成分)、およびフィセチンが含まれる。
つまり「バイカリン(オウゴンエキスの成分)には1型リダクターゼの強力な阻害剤としての性質がみられた」ということですね。
「1型5αリダクターゼ」はAGAにあまり関係ない?
ところで「1型」の5αリダクターゼとは何のことなのでしょうか?
実は5αリダクターゼには「1型」と「2型」の2種類があります。
そしてそれぞれ主に存在する場所が違っていて、
- 1型5αリダクターゼ:側頭部と後頭部
- 2型5αリダクターゼ:前頭部と頭頂部
となっています。
カンのいい方は気づかれるかもしれませんが、前頭部・頭頂部が薄くなるAGAに深く関係しているのは、「2型」のほうなんですね。
オウゴンエキスはたしかに「5αリダクターゼを阻害」するけど・・
このことからわかるのは、オウゴンエキスはたしかに5αリダクターゼを阻害する作用はあるけど、「前頭部や頭頂部の薄毛」にはあまり関係がないということです。
つまりAGAによる薄毛にはほとんど関係ないということですね・・
結論。オウゴンエキスのDHT抑制作用は期待できない。
ということでオウゴンエキスによるDHT抑制作用は期待しないほうがいいと思います。
「じゃあチャップアップやブブカに入ってても意味がないの?」というと必ずしもそういうわけでもありません。
オウゴンエキスには
- 抗炎症作用(抜け毛の原因となる炎症を防ぐ)
- 抗酸化作用(細胞を老化させる活性酸素をとりのぞく)
といったはたらきもあるので、これだけでも育毛効果は十分期待できるんですね。
(これらの作用についても、ジェームス博士のサイトに根拠となる研究の記載がありました!)
というわけで育毛剤によく配合されているオウゴンエキスの評価としては、
「DHT抑制による抜け毛抑制効果は期待できないけど、抗炎症・抗酸化作用による育毛効果は期待できる」
というものになります。
ぜひ参考にしてみてくださいね(^^)