「ボストン」や「イクオスサプリEX」など、いくつかの育毛サプリに配合されている成分「ミレットエキス」。
ミレットエキスはヨーロッパの中世の時代から「飲む育毛剤」として利用されてきたんだとか。
「飲む育毛剤」と聞くとわくわくしますね^^
今回はミレットエキスの何が育毛に役立つのか?について調べてみた結果、意外と期待できそうなことがわかったのでシェアさせていただきます。
ミレットエキスは何が髪にいいの?
「ミレット」とは穀物の意味で、ミレットエキスとはイネ科キビ属の特定品種(キビの一種)から抽出したエキスのことです。
ミレットエキスのいったい何が育毛に役立つのでしょうか?
1.髪の毛の材料になるアミノ酸(シスチン・メチオニンなど)を豊富に含んでいる
髪の毛をつくっているのは「ケラチン」というタンパク質です。
ケラチンは18種のアミノ酸からできていますが、そのなかでも主要なアミノ酸である
- シスチン(ケラチンの約17%をしめる)
- ロイシン(ケラチンの約6.5%をしめる)
- イソロイシン(ケラチンの約5%をしめる)
そして体内で生成できない必須アミノ酸の
- メチオニン
これらのアミノ酸がミレットエキスには豊富に含まれているんですね。
いわば髪の毛の材料の宝庫ともいえるミレットエキスを摂取することで、髪の毛を太く丈夫にする育毛効果が期待できます。
抗酸化力にもすぐれた含硫アミノ酸「シスチン」「メチオニン」
またシスチンとメチオニンは「含硫(がんりゅう)アミノ酸」と呼ばれるアミノ酸の一種でもあります。
「含硫アミノ酸」とは「硫黄」をふくんだアミノ酸のことで、デトックス(解毒)作用と抗酸化力に優れているんですね。
これらのアミノ酸を摂取することによって細胞の老化をもたらす活性酸素を抑制するはたらきも期待できます。
「健康な頭皮と髪の毛をつくるためのアミノ酸を豊富に含んでいる」というのがミレットエキスの第一の特長といえるでしょう。
2.血行を促進する「ローズマリー酸」を含む
ローズマリー酸(ロズマリン酸とも呼ばれる)はポリフェノールの一種で、
- すぐれた抗酸化作用
- 血行促進作用
があるといわれています。
活性酸素を抑制し、血行を促進して毛根に十分な栄養を届けることで、育毛にプラスの影響を与えることが期待できます。
3.髪の毛にとって大切なミネラル「ケイ素」を含む
ミレットエキスには髪の毛の成長に必要なミネラル「ケイ素」が含まれています。
ケイ素は毛根の土台となる「コラーゲン」の結びつきを維持するために必須のミネラルです。
ケイ素が不足してしまうとコラーゲンの弾力性・丈夫さが失われ、抜け毛や爪の割れ、肌のしわ・たるみなどにつながる恐れがあります。
以上、ミレットエキスの代表的な3つの育毛メリットをあげてみましたが、他にも細胞の成長を促進するビタミンB2・B6など、ミレットエキスには育毛に役立つ成分がつまっています。
古くから「飲む育毛剤」として親しまれてきたというのも納得ですね。
ミレットエキスはどれくらいの摂取量が理想的?
ではミレットエキスは1日何mgくらい摂取すればいいのでしょうか?
参考になりそうな研究をいくつかピックアップしてみましょう。
ミレットエキス1日300mgの摂取で、抗がん剤による抜け毛が緩和という研究
A case-control study of Panicum Miliaceum in the treatment of cancer chemotherapy-induced alopecia.
こちらの研究ではガンの化学療法を続ける56名の患者を対象に、1日300mgのミレットエキスを摂取してもらったところ、抗がん剤による脱毛症状が緩和されたという結果がでています。
ミレットエキス・システイン・パントテン酸の摂取3ヶ月で髪の毛が大幅に増加したという研究
Major study confirms that L-Cysteine can reverse hair loss
こちらはドイツで行われた研究です。
「びまん性脱毛症」の女性グループを2つにわけ、それぞれに
- ミレットエキス・システイン・パントテン酸の混合サプリ
- プラシーボ(偽薬)
を3ヶ月の間摂取してもらったところ、プラシーボでは見られなかった「通常の育毛率への回復」がサプリグループでみられたとのこと。
この研究を実施した皮膚科医は、「プラセボとは対照的に、サプリメントで脱毛症を治療した女性は、顕著な成長をみせた毛髪の数がわずか3ヶ月で大幅に増加した」と報告しています。
ドイツでの研究にもとづいて製品化されたサプリメントのミレットエキスは1日140mg
この研究にもとづいて、同じような成分を配合したサプリメントがいくつか商品化されています。
そのひとつ、ドイツのバイエル社の製品「プリオリン」に、配合成分の成分量の記載がありました。
それによるとミレットエキスの成分量/1日は「140mg」となっています。
このサプリ「プリオリン」はミレットエキスの他にL-システイン、パントテン酸を主成分としていますが、ミレットエキスメインのサプリといってもいい配合ですね。
「1日140〜300mg」がひとつの目安?
ということでミレットエキスについての研究の数は多くありませんが、2つの研究と製品化の流れからして
「1日140mg〜300mg」
というのがひとつの目安といえそうです。
市販の育毛サプリのミレットエキス配合量をチェック
では最後に市販の育毛サプリに配合されている「ミレットエキス」の配合量をチェックしてみましょう。
ミレットエキス配合量 | |
ボストン(BOSTON) | 5mg |
イクオスサプリEX | 150mg |
ブブカサプリ | 80mg |
フェルサ | 100mg |
「イクオスサプリEX」が150mgと、もっとも配合量が多くなっています。
バイエル社のプリオリンよりも配合量が多いので、イクオスサプリEXのミレットエキスの効果についてはかなり期待できそうですね。
いっぽう育毛サプリ「ボストン」のミレットエキスはかなり少なくなっています。
ボストンはノコギリヤシについてはイクオスの倍の効果が期待できるので、この2つだとノコギリヤシをとるか、ミレットエキスをとるか、という選択になりますね。
まとめ
以上、今回はヨーロッパで「飲む育毛剤」として親しまれてきた「ミレットエキス」の育毛効果についてご紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか?
個人的には、小規模ながら臨床研究も行われているなど、思ったより期待のできる成分なんだなという印象をもちました。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
参考文献・サイト
- ケラチンのアミノ酸組成
- Effects of Panicum miliaceum L. extract on adipogenic transcription factors and fatty acid accumulation in 3T3-L1 adipocytes.
- Major study confirms that L-Cysteine can reverse hair loss