プロペシアの主成分フィナステリドの副作用については、けっこうリスクが高いという声もチラホラ聞こえます。
今回は「フィナステリドの副作用の危険性」について伝えているカナダとアメリカの報道記事についてでご紹介してみたいと思います。
ハゲ対策でフィナステリド(薬品名はプロペシアやフィンペシア)を検討されている方は参考にしてみてくださいね。
フィンペシア(プロペシア)の副作用は「うつ症状」と「精力減退」?
以下はサンディエゴの放送局「KPBS Public Broadcasting」のWEBサイトに掲載されていた記事の概要になります。
フィナステリド副作用についてのアメリカの報道記事
(フィナステリドとはプロペシアとそのジェネリック品であるフィンペシアの主要成分です。)
「薄毛用の薬が性的な問題とうつ症状を引き起こす」
想像してみてください。
薄毛を治そうとしただけなのに、取り返しのつかない副作用に苦しむことになったとしたらどうでしょう。
多くの薄毛患者が、プロペシアの服用が「うつ症状」と「完全な性機能の喪失」を引き起こすと訴えています。そしてこれらの問題は服用をやめた後も続くケースが多いといわれています。
ジョン・デイビスさん(仮名)は40歳をこえて植毛手術を受けました。そして彼を担当した外科医は、彼のハゲの部分に髪を生やすためにプロペシアの服用をすすめたのです。
そしてジョンが2ヶ月間プロペシアを飲み続けたころ、彼は原因不明のウツ症状を感じるようになりました。
「何も理由がないのに、最悪のウツ状態に落ち込んでしまったんだ・・まったくワケがわからなかったよ」
そして彼は性的な問題にも苦しむようになります。
「いったいどうしたの?」
彼の妻は彼に尋ねましたが、ジョンにも理由はわかりません。
ジョンは多くのセラピストや専門家のもとを訪ねましたが、何も助けにはなりませんでした。
そしてあるとき、ジョンは「propeciahelp.com」というサイトを見つけます。
それはプロペシアの副作用に苦しむ人たちのネット上のフォーラムでした。
そしてジョンは気づきました。そしてそれまで4年間続けていたプロペシアの服用をやめたのです。それはすべてが坂を転げ落ちるように悪化しようとしていた、まさにそのときでした。
「オレのホルモン分泌機能はイカれちまったんだ。ホルモンバランスがおかしくなっちまった。
とっぴな行動、おかしな考え、コントロールできない感情にとりつかれてしまった。。何週間も何ヶ月も、ソファのうえで泣き叫んでいた・・」
ジョンはコントロールできない激情にかられ、友人や妻、子供たちにさえ怒りをぶつけられずにいられませんでした。
「オレは最高の父ちゃんになりたかったんだ。それがオレの人生のゴールのはずだった。
でもその夢は霧散してしまったんだ。もうどうしようもできない」。
こういったプロペシアへの不満の声をあげる男性の数は増え続けており、FDA(アメリカの厚生労働省みたいなもの)はこのようなケースを収集していました。
患者が訴える具体的な内容としては、うつ症状、そして勃起不全を含む性的問題などです。
FDAはプロペシアによる性的問題があったと思われる421のケースを観察したところ、プロペシアの服用をやめた人の14%の人は、やめた後3ヶ月以上たっても症状が残っていたとのことでした。
その結果として、FDAはプロペシアに「より明確な警告書」を商品に添付するよう定めたのです。
ポストフィナステリド症候群
プロペシアの副作用は「ポストフィナステリド症候群」と呼ばれています。
フィナステリドとはプロペシアに含まれる有効成分のこと。訴訟沙汰になっているケースが何件もあります。
公認セックスカウンセラーのダグラス・ブラウンハーヴェイによると、何人かの彼の患者もプロペシアによってひどく苦しんでいるといいます。
「ひどいもんだよ、彼らは自分が正しい決断をしたと思ってるんだ。
”オー!髪の毛がなくなるのやイヤだ! オレはこの薬を飲むんだ!”
ってね。
何も考える必要のない決断さ。そして彼らはまったくその悲惨さに気づいていないんだ」
ブラウンハーヴェイは最悪の問題のひとつは「不確実性」だと言います。
「彼らは自分がまた勃つようになるかどうか、確かなことは何もわからないんだ。」
サンディエゴにおける性的問題の権威であるゴールドスタイン博士(セクシャルメディスン研究所の所長)は「多くの男性が、自分がプロペシアによって問題を抱えていることを公にするのが恥ずかしくて、黙っているんじゃないかな?」と危惧しています。
そしてそれにもかかわらず、彼は多くの患者を抱えているのです。
「性欲減退がいちばん多い苦情だよ。
彼らは見れば興奮するはずの女性を見ても、興奮しなくなっちゃったんだ。女性が、たんなる車とか、木とか、橋とか、山とか、そんなのと同じものになっちゃう。
彼らは女性に自分を興奮させてほしいと思ってるんだけど、だめなんだ。
性欲減退のなかでもかなりフラストレーションのたまるケースだよね。おそらく認知機能が変わってしまってるんだ。そしてこれはプロペシアが脳内の化学反応を変えてしまうことに原因がある」
ゴールドスタイン博士は、多くのヘルスケア担当者はプロペシアの危険性に気が付いていないのだと信じています。
そのため患者に「性欲がなくなりますよ」とは伝えないのだと。
「だから彼らは患者に副作用の可能性について伝えないんだ。おそらく一時的でマレな性的問題が生じるかも、とは聞いてるかもしれない。でもそれは注意の範囲内なんだよ」
プロペシアのメーカーであるメルク社はこの件についての取材を拒否しました。
書面上で「それらの問題がプロペシアとは関係しているかどうかはわからない。またプロペシアは1997年に市場に登場して以来、何百万人もの男性が服用してきている」と回答しています。
しかしこの回答は、ボブ・ウェブさん(仮名)にとって何の慰めにもなりません。
彼は4年のあいだ、薄毛を撃退するためにプロペシアを飲み続けました。
ウェブは言います、「それは効果がなかっただけでなく、ひどい性的な問題を引き起こした」と。
「オレのこの状況について、オレは今何もすることができない。
この薬を飲もうと考えているやつらがたくさんいると思うけど、オレのメッセージはこうだ。”飲むな。”」
これは・・・怖いですね。
フィナステリド副作用についてのカナダの報道記事
次に、カナダのトロントの新聞社「Toronto Star Newspapers Ltd.」のWebサイトの記事をご紹介します。
カナダの集団訴訟中の男性「ハゲのために飲んだ薬でインポになった!」
500人以上のカナダ人男性が、ハゲ治療のために服用した薬によって完全なインポになったと主張しています。2つの集団訴訟がフィナステリドをつくった製薬会社メルク社に対して起こされています。
(メルク社はハゲ用薬の主要成分であるフィナステリドのメーカーです。)
メルク社は彼らの主張を否定しており、薬の生産・販売のあらゆる面で責任ある行動をしてきたと主張しています。
それに対して原告は、「薬の服用をやめた後でも性的不能が続く可能性があるという警告を、メルク社がしていなかった」と主張しています。
実はヨーロッパ用の同製品のラベルには2008年以降
「持続的な勃起不全のリスクがあります」
と記載してあるのです。
一方カナダ製品のラベルは「性的不能がまれな副作用として起こる可能性があります」という記述にとどまっており、さらに「服用をやめれば性的不能は解消する」ことを匂わせる文面になっています。
2011年の11月まで、「持続的な勃起不全のリスクがあります」との記述はありませんでした。
訴訟を担当している弁護士のデビッド・クラインは次のように語っています。
「もし彼らがヨーロッパの人とカナダの人に異なることを伝えていたのであれば、製薬会社はダブルスタンダードを使ってたってことですよね。
もしこれらの副作用を完全に知っていたら、あなたはリスクを犯しますか?
私は59歳ですが、私ならリスクを犯しません。多くの男性と同じように、禿げあがることを選びます」ショーン・ラムサラン(26歳)は2009年、彼の髪が細くなって「役立たず」になったとき、皮膚科医からプロペシアを処方されました。
4年後、彼はなぜメルク社もカナダ保健省も薬のリスクをもっと早く伝えてくれなかったのかと思っています。
「もういくらがんばっても勃たないんだ。」
トロント在住のショーンは言います。
服用1年後に勃起力が急降下して以来、服用をやめているにも関わらず、です。「今は精神科医にかかってるんだ。うつ症状でね。
悪夢を見るんだ。薬のせいで僕がガールフレンドの前で何もできなかったことが頭のなかにフラッシュバックする夢を」
メルク社は薬についての検査に不備はなかったと主張しています。
「我が社はプロペシアとプロスカーの開発、販売段階における検査において、責任ある適切な行動をとってきました。」メルク社のスポークス・ウーマンであるライニー・ケラーはEメールにそうしたためています。
「この薬が持続的なインポの原因になるという科学的データはありません。
性的不能は不幸にも普通に暮らしていてもよくあることです。それには多くの原因が考えられるんです」。保守党の上院議員であるケルビン・オジルビーは、フィナステリドのような薬の事例は、カナダ保健省が薬の処方を監視し、副作用の可能性をカナダ国民に警告することについて問題を抱えているということを指摘しています。
「われわれは薬剤の使用法・安全性の改訂についての指示を出すのが遅すぎる。2008年と2011年の差は3年もあるんだ」オジルビーは言います。
カナダ保健省の立場
「入手可能な情報に基づくと、プロペシアの治療効果はそのリスクを上回っているというのがカナダ保健省の立場です。」カナダ保健省のスポークスマンであるウィリアム・ウェルズは言っています。
今週カナダ保健省は、薬物有害反応の分析レポートを収集するための体制を強化していくことを発表しました。医師や他の人たちの報告を重要視する方向へ変化しようとしています。
フィナステリドはテストステロンがより強力な男性ホルモンでハゲの原因とされるDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されるのを防ぎます。
カナダ保健省の薬物有害データベースによると、1993年にカナダの市場に登場して以来、フィナステリドは、
・20件の勃起不全
・14件の性的不能
・15件のうつ病
・5件の自殺念慮これらのケースに関係していると考えられています。
オジルビーの上院委員会の報告書は、これらの有害反応の報告はおそらく現実に全患者が経験している副作用のおよそ1〜5%であろうと指摘しています。
昨年、カナダ保健省はフィナステリドが悪性度の高い前立腺ガンのリスクの増加と関連する可能性があるという警告を発しました。
そんな状況の中でも、トロントの育毛専門家であるジェフ・ドノバン皮膚科博士は、1日に何度もフィナステリドを患者に処方しています。
「フィナステリドが永続的な問題を引き起こすというのでしょうか?もしかしたらその可能性はあるかもしれません。しかしわたしは今のところ、これらの問題は推測にすぎないと思っています」
ジョージ・ワシントン大学医学助教授マイケル・アーウィグ博士の2012年の研究によると、フィナステリド関連の副作用を経験した54人を調査したところ、そのうちの96%が服用をやめた1年以上後でも性的不能の状態が続いたという結果が出ました。
アーウィグは言います。
「怖いのは、持続的で、もしかすると永続的な影響が彼らに及ぼされているということです。
彼らの何人かはもう10年薬を飲んでいませんが、それでも同じ問題が続いているのです」これらの男性の症状を解消するために、テストステロン注射からバイアグラまで試みたものの、効果はなかったということです。
最後に、26歳のラムサランは次のように語っています。
「もし体の組織に永久的なダメージを負う可能性があると知っていたなら、僕は絶対にあの薬を飲まなかった。ハゲのままでよかったし、むしろ体に毛1本生えていないとしても、そのほうがいい」
こちらも怖いですね。。
ハゲ対策にフィナステリド、ほんとに大丈夫?
実は僕も今この記事を書きながら、初めてこれらの報道記事を読んだのですが、正直ちょっとビビってきました。
今現在、フィンペシアを飲み始めて1ヶ月弱ですが、今のところ¥とくに勃起不全等は感じていません。
でも、
「薬をやめても解消しない永続的な影響があるかも」
って言われると、さすがにちょっと考える部分も出てきますね・・
とりあえずこれからも、体の声に耳を傾けながら、体と相談しつつ決めていこうと思います。